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2018-11-10(Sat)

4年越しに産院と話をして…

先日娘を産んでから初めて、出産した産院を訪れてお話をさせてもらう機会がありました。



産科医療補償制度の申請にあたっては「出産した産院に連絡をとる」というのがファーストステップだったのですが、事務担当の人と遣り取りをしただけで、先生にお会いする機会は皆無だったのです。



今回私の方から先方にお電話し、「改めて先生と少しお話させてもらえないか。」とお願いしたところ、アポをとりつけることができました。

(夫と話し合って、「夫に娘をみてもらって、その間に私が1人で話をききにいく。」ということになりました。)





***


面談には、産院の医師の先生と、助産師長さんと思われる方(以下:師長さん)の2人が来てくださいました。



忙しい中時間をとって下さったことに感謝をお伝えし、娘のこれまでの生育歴や現在の状況について……生まれたときにここで何も説明が受けることができなかったということ……今日は原因分析の内容も含めてお聞きしたいことがある……等々私から話をさせてもらいました。




産院の先生はやはり普段とてもお忙しいらしく、この日わざわざ休診日に時間をとってくれていたのですが、それでも急に診なければならない患者さんがこの日も出たようで、開始早々席を外してしまうことに…。



※以下は師長さんとのお話に基づくものになります。



この産院の先生は本当に無口な先生で、助産師さんがかなりお産を取り仕切られている印象を受けたので、先生ほぼ不在という状況ではあったのですが、話した内容諸々は一応満足できるものでした。









【脳幹部分にのみ障害がある脳性まひ!?について】

まず娘の病状をお話しさせてもらいつつ、脳幹のみに障害があるらしいという脳性まひについて少し伺ってみたのですが、


「脳幹のみに障害があるというのは特徴的で、お産のときではなく、その前、妊娠中の脳の形成の過程で何かあったのではないかと思う。」

「生まれるとき、低酸素で脳の外側が圧迫されることはあるが、それが脳幹・脳のコアまで到達することは滅多に考えられない。」




…というのが、こちらの師長さんが経験則から語った意見で、これが正しいのかは分からないのですが、何となく娘の以前の主治医の先生と似た考えのように思われました。




また師長さんから、「(私の娘の)アプガースコア6点という数値も、身体が硬直していて、動きがない・活気がないことからくる採点で、出産前の心拍の記録をみても分娩時に赤ちゃんが苦しかったとは思わない。」というお話もあり、この辺りもはじめて耳にする情報でした。









【“生まれる前から障害に気付かないものなんでしょうか??”】

これは、私の方から口に出したわけではなかったのですが、何かの話の流れで、師長さんのほうから口にされた話題……。



「障害のある子が生まれると、なぜ気付かなかったのですか??と親御さんから問われることが物凄く多い。」と。


「でも技術の進んだエコーでも分からないことは本当に多い。臓器の疾患、手足があるかどうかなども、赤ちゃんの位置次第では発見できないものなんです。」と。





でもねえ…「親ならなんで気付かなかったんだ、ってどうしても思うよなあ。」とここは思ってしまいました…。(自分もそうだったし…)



障害のある子が嫌だとかそういう問題ではなくて、〝分かっていれば事前にハイケアが受けられる施設にいられたかもしれない〟〝よりスムーズに治療できて二次的な障害を防げる可能性も高まる〟…と後になってから色々思いが湧いてきたりもして…




子供のためによりよいベストな状況があれば後からとつい願ってしまうのも、親の思いじゃないのかな……と個人的な自分の思いを重ねてですが、感じてしまいました。










【自分が後悔していたことについて】

そして、4年も経ってなんてシツコイ、なんてウットオシイ人なんだ…!と思われるのは承知で、出産後自分が抱いてきた思いを少し吐露させてもらいました。




「娘がNICUに搬送されるとき、私は一緒に運ばれず、産後の経過をみるため5日間、1人だけこの産院に残る形になった。あとになって、私も娘と同じ病院に一緒に搬送(あるいは移動)できるようになぜ頼まなかったのか……そこで早く母乳を届けたり、もっと出来ることがあったのではないかと後悔している。」


「ここにいた5日間の間、母乳を運びたいから搾乳の指導をしてほしいと何回も頼んでも誰も相手にしてくれなかった。先生も助産師さんも誰も娘のことを説明してくれなかった。」


「今振り返ると、なぜもっと大きな声を出して、子供のことを聞いたり、自分の希望を言わなかったのだろうと思う。」







師長さんは黙って聞いてくれつつも、「赤ちゃんと一緒の病院にいたかった」という点について以下のように話してくれました。


「もし希望を口に出したとしても、私たちにそれを叶えられたかどうかは分からない。」

「転院させようと思っても、この地域の入院施設はものすごく混んでいて、病院ベッドが確保できるとも限らない。」

「どの道ここ(産院)に残ってもらうという可能性も充分にあり得た。」







結局切迫早産のときに、より大きい病院に罹れなかったのも、産後母体を転院できなかったのも、地域の医療の受け皿が小さいという事情に左右されてしまうところもあるのかな~と話をきいていて、少し疑問に思ってしまうところもありました。








【”分娩監視装置はずっと付けているものですか??”】


今回の産科医療補償制度の分析の中にて、「子宮収縮薬投与後、分娩監視装置を時々外しているのは基準から逸脱しているので、産院に提言します。」…みたいなくだりが記載されていました。


※11/14追加 上記の文ですが、”陣痛促進剤を使った場合”というのが抜けていました。


娘の出産前後、産院がとても混んでいたのか、助産師さんがすごく忙しそうで自分の所にはほとんど来ないという所感が残っていた私……(そしてどこもこんなモノなのかなあ、と。)




途中、「いきみ逃がしをしたいので歩いたりしたい。邪魔なので監視装置を外していいですか。」ときいて了解をとったことは覚えているのですが、アレよくなかったの…?と疑問に思ってしまってこれについても訊いてしまいました。



こちらについては、

「分娩室に入ってからはずっと付けておかなければならないが、陣痛室での付け外しはよくある。●●さんの監視装置は分娩室に入ってからはずっと付けていたので問題ありません。」というのが回答でした。


(およそ30分しか分娩室にいなかった気もするが…)





またさらにぶっちゃけて、「私が陣痛室にいる間、全然見てくれてなかった気がしてるんですが、助産師さんって割と傍についていないもんなんでしょうか。」と訊いてみたところ、これについては、「“何で私の方を全然みてくれないの!”とそういう苦情を受けることはしょっ中ですよ。」と。





「お産が順調な人にはずっと付いていないんです。」

「でも分娩監視装置が常に赤ちゃんの心音を転送していて、お産が難しくなっている人のところにいち早くかかれるようになっているんです。」
…とのこと。




そーすると、入院してからほぼ陣痛室にいて、分娩監視装置を(許可とった上だけど)外しまくってた私って大丈夫だったのか…という話に戻ってくるんですが、「生まれる30分前に記録された心音に異常がないなら、その前も異常がないだろう。」というのがこの師長さんの意見らしい。




この辺りどう捉えるか素人にはよく分からない…ビミョーな気もする……けどだから原因分析の中でも「基準から逸脱」とあったのかな…とボンヤリ思いながら聞き流してしまいました。



この分娩監視装置のことなど、前々から(というか4年も前から)お産の途中に疑問に思ったことなどを数点きかせてもらい、気持ち的にスッキリした部分もありました。











【産科医療補償制度は、“分娩時に低酸素になった可能性が疑わしい”…という人だけが対象になるのか??】


さらに、前回記事の最後らへんに書いた私の疑問を、この師長さんにもお尋ねしてしまいました。



「今回私が産科医療補償制度の補償対象内になったのは、結局のところ、分娩時に低酸素になった可能性がゼロではないから……ということなのでしょうか。」という聞き方を敢えてしてみたところ……


「分娩時に低酸素が起こっていなくても、補償の対象になる場合もある。」というのが師長さんの答えでした。






(※前回記事(コチラ)と内容が重複しますが)

産科医療補償制度が公式で出している文章に“先天性や新生児期の要因によらない脳性麻痺であることに該当する場合に、「分娩に関連した」と判断することにしている。”…。とありますが、娘の場合が多分まさにコレ…。




分娩のときに低酸素になっていない…そしてその他色々探って引っかかって来るものが取りあえずなかったという原因不明の脳性まひ……ウチの場合画像異常もないという状況もあいまって謎な気もするんですが、「原因不明だからこそ補償対象になったと考えて下さい。」という言葉をいただきました。






そして師長さんは、「脳性麻痺の内、30%はお産のときが原因。のこりの70%は感染症など、もう生まれる前から原因があったと考えています。」…ともお話になりました。




以前読んだ本(「脳性まひ児の早期治療」/過去記事に書いた本)の中で、「脳性麻痺の多くは(低体重出産・周産期の胎盤や臍帯のトラブルも)生まれる前に要因がある。」…というような説!?を目にしたことがありましたが、この産院の師長さんは極めてこの考えに近いな~とお話していて個人的にですが感じました。




何が正しいのかこの辺りサッパリ分からないけれど、原因不明のものについても、いつか少しずつ分かることがでてきて、脳性まひ発症の防止に繋がらないのかな〜なんて、やはり思ってしまいますね……。










【産科医療補償制度で救済されるのは…】


色々お話させてもらったけれど、今回1番印象に残ったかもしれない師長さんの言葉……。


「産科医療補償制度が出来てから、私たち産科に携わる人間は物凄く助かっている。」

「この制度が出来る前は、本当に沢山の先生が責められて、産院を畳んだり、別の診療科に移ったり、そんなことがたくさんあった。」

「産科医療補償制度は、産科の先生と母子の両方を救済しようという制度です。」






これを伺ってこの制度はやっぱり「国の少ない産科の先生を守る」というのが1番の本当の目的で、その目的はとても大事だし、制度はその目的を上手く達成できているのかな、と思いました。





師長さんとのお話の途中、「こういう場(=産科医療補償制度の対象家族と話しをする機会)はよくあったりしますか?」と何とはなしに思い切って訊いてみたのですが、少し驚かれた様子で、「いいえ、滅多にないんです。実は制度の対象者は●●さん(私の名前)で2人目なんですよ。」とお答えくださいました。






資料で確認した情報ですが、こちらの産院は、私が娘を産んだ前年度の分娩件数が約760件となっていました。



補償制度がはじまってから10年間の分娩件数を、雑だけど単純に掛ける10して約7600件あったとして、その内の2件……確かにごくごく少数の数字のように思ってしまいます。




そして同時に単に障害のある子供の出産がマイノリティというだけではなく、対象となれる家族がさらに少ない、少なすぎるという印象も持ってしまいました。









***

これまで産院について「もし何事もなく子供を産んでいたら、過程なんて何も気にならなくて、良かった思い出だけが残っているんだろうなあ。」とよく思っていました。



いざ訪問する前の日になってやっぱり行きたくないかもと思ったり、産院に着くと涙が出てきたリもしたけれど、出産後にずっと言えなかったこと・聞けなかったことを今回ぶつけることができて、心が軽くなったようにも感じています。



娘はこれからも定期的にMRIも撮るし、(大きくなってから損傷が見えてくることもあると聞いているので)あとになって更に分かってくることも、もしかするとあるのかもしれませんが、そのときはそのときでまた何か書けるといいなと思っています。



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2018-11-10(Sat)

~娘の脳性まひについて寄せた疑問色々~

産科医療補償制度の認可が下りた後、機構との遣り取りの中で、「分娩機関との情報に相違がないか」……と、保護者側が意見を用紙に記入する機会がありました。




機構とはほぼ書面(+少し電話)での遣り取りでしたが、この書面での遣り取りの中で、「今回のお産について疑問があれば書いてください。」……というようなコーナーも設けられており、こちらにも色々と記入させてもらいました。




書いたのは1年半くらい前で、今改めて見ても“悪かった探し”にどこまでもシツコイ自分がいるなあ……なーんて思ったりもしますが、それでも“何か訊ける場がある”というのは、貴重な機会だったように感じています。







※以下……寄せた質問(太字)・機構からの回答(茶色字)・自分の補足説明(緑字)になります。

※質問12個のうち11個を載せていて、1個だけ個人的な考えで削除したものがあります。









①脳画像に異常はないが、産科医療補償制度の対象になった…というケースもこれまでに存在していますか。

→原因分析委員会で、脳性麻痺発症の原因を明らかにできなかった事例は3割にのぼり、その中には脳の画像に明らかな異常を認めていない事例もあります。






②“脳画像に異常がないが脳幹に障害があると思われる脳性麻痺”というケースはこれまでにありますか。あるとしたら、年間・あるいは過去数十年でどれくらい存在しているのでしょうか。

→脳幹の損傷は画像によって診断されることが多いと考えます。画像に異常がないが脳幹に損傷があるケースの数については、検討された医学的なデータがないためお答えは致しかねます。







③”先天性の脳性麻痺”と”後天性の脳性麻痺”にはどのような違いがあり、どのように分けられているのでしょうか。

→”後天性の脳性麻痺”といった言い方はされず、それぞれの原因により判断されます。一方、おっしゃるように胎生期に原因があるもの、遺伝子異常や脳の形態異常が原因であれば先天性と呼べますが、明らかな定義があるわけではありません。







④今回の妊娠時の顕微授精にて移植後、8日後のhcgの値が8.9と極めて低く、子宮外妊娠か、初期流産の可能性が極めて高いとのことでした。その後、15日後の値が368.6と跳ね上がり、妊娠継続となりました。初期の段階でhcgの値が一桁台だったことが脳性麻痺発症の原因になにか関連があるのでしょうか。

→現地点では、妊娠初期のhcgの値と脳性麻痺発症の原因に明らかな関連を示す医学的データはありません。

※補足:hcgとは妊娠中に産出されるホルモンのことで、この測定が妊娠・流産・子宮外妊娠の早期発見につながるとも言われているそうです。








⑤妊娠中期から後期のなにか(ウイルス感染など)が問題だったのでしょうか。

→原因分析報告書に記載されているように、明らかな胎内感染を示す所見はありませんが、未知のウイルス感染の有無などについては確認する手段がなく、分かりません。







⑥妊娠31週に低置胎盤と説明がありました。妊娠31週以前は全くいわれなかったのですが、突然胎盤の位置が下がってくるようなことはあるのでしょうか。それとも出産間近まで判断できないため、特にご指摘がなかったけれど、妊娠31週以前にも低置胎盤だったのでしょうか。

→妊娠経過中に胎盤の位置が下がることはないと考えます。「産婦人科ガイドラインー産科編2011」では妊娠31週末までに前置胎盤の診断を行うことが推奨されているため、低置胎盤を判断したのが妊娠31週であったとしても問題はありません。なお骨盤MRIで診断されているとおり、最終的には低置胎盤(内子宮口から2㎝以内)ではないことが明らかです。

※補足:結局私の場合、胎盤の位置は“子宮口から2.8㎝で、これは低置胎盤に当たらない…ということのようです。









⑦胎盤が下がることと低酸素虚血脳症には何か関係がありますか。

→前置・低置胎盤があれば、分娩前の大量出血による胎児低酸素が影響する可能性がありますが、本症例は低置胎盤ではなく、また、お子様は低酸素虚血脳症ではないと考えます。








⑧子宮頸管が短くなった際に、産婦人科の先生に何度か「総合病院に入院しなくてよいのか」と伺ったのですが、特にご指示を得られませんでした。私のような子宮頚管の長さだった場合、また経過観察していたノンストレステストでかなり異常と思えるような回数のお腹の張りがあった場合、一般的に入院しなくてよいものなのでしょうか。

→切迫早産の状態で入院管理を行うかどうか、また高次施設に搬送するかどうかは、切迫早産の症状の程度に加えて、地域の状況や妊産婦・家族の希望などを考慮して判断されます。どのような管理が正解とまでは言えないのが現状ですが、原因分析委員会は妊娠中の管理は一般的と考えます。

※補足:私の28週以降の子宮頸管は最短2ミリでした。









⑨37週5日15時の大量出血について、分娩前にこのような出血があることは異常ではないのでしょうか。羊水が汚れて危険ということはないのでしょうか。

→37週5日15時に出血が多くみられ、その後も少しずつ続いていたようですが、破水していたことから羊水混じりの出血量だった可能性もあり、また大幅な出血量の増加はみられておらず、分娩進行中の生理的なものと考えます。また膣内への出血は一般的に羊水以内には入りませんので、出血で羊水が汚れて危険ということはありません。







⑩この妊娠37週5日15時の出血は、低い位置にある胎盤が壊れているということなのか、どこから出た出血なのでしょうか。

→胎盤からの出血であった可能性もありますが、出血部位を特定することは困難です。一般的には子宮の入り口(子宮口)が開いてくるときにみられる出血(産徴)だと考えられます。







⑪生まれてから半年くらいまで頭部に内出血したようなアザのようなものが、あちらこちらにあったように思います。新生児の頭にはありがちなものなのでしょうか。(※画像紛失)

→実際にお子様を診察していないのでお答えいたしかねますが、NICUのスタッフが観察しているのが一般的ですので、問題のあるものであれば何らかの説明がなされていたと考えます。








***

「やっぱり分からないことも多いし、推測で回答なんて出来ないから、こういう答えになるよね~。」とも思いましたが、これだけ好き放題に記入した質問に1つ1つ丁寧に回答くださったこと…本当に有難く思いました。




また上記質問を提出したあとに、もう1つ疑問に思ったことがありまして……



①産科医療補償制度は“分娩時に低酸素になった可能性があるかもしれない”…という人だけが補償の対象になる

②①の考えは誤りで、分娩時に低酸素になった可能性がまったくなく、それ以前(妊娠成立~妊娠中)の出来事が原因だと考えられても、補償の対象になる。




このどちらの認識が正しいのか??ということでした。





これまで、複数の医師の先生に、「娘が産科医療補償制度の申請対象になったのは“分娩時に低酸素になったエピソード”があるかないかがグレーだからだと思う。」……という意見をいただいたこともあり、自分の中でも混乱していたのです…。





改めて産科医療補償制度のHPをみると、“分娩中に低酸素状況があったと確認がとれれば補償対象”…そして続く文にて、“またこれに加えて先天性や新生児期の要因によらない脳性麻痺であることに該当する場合に、「分娩に関連した」と判断することにしています。”…とあります。




娘は前者ではなく後者の方なのだと、今回原因分析を読み込んで改めて思いました。(=分娩時の低酸素エピソードがなくても補償対象になる。…のだと思っている。)




何か物分かり悪い人がつらつら書いてて全然まとまってないのですが……同様の疑問を産院の側にも伺ってみた、「4年越しに産院と話をしてみて…」という次の記事(コチラ)に続きます。



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2018-11-10(Sat)

産科医療補償制度の原因分析が返ってきて…

今年の6月頃(娘:約4歳)、産科医療補償制度の原因分析報告書が送られてきました。


22pの報告書の中には、妊娠~産褥期の経過が詳しく記載されていたのですが、結局、

「妊娠経過、分娩経過・新生児経過に脳性麻痺発症に関与する事象は認められず、脳性麻痺発症の原因は不明である。」

…という1文が載せられていました。



(制度が開始されてから約9年間の事例のうち、36.3%が原因不明だといわれているそうなので、原因が分からないことは珍しいことではないようなのですが…)







娘を産んでから暫く、私の中で、“悪かった探し”がやめられなかった時期がありました。



ネットで情報を探ったりしながら、妊娠中の自分の行動1つ1つ、あるいはお産のときの出来事1つ1つを思い出し、「あれが悪かったのかもしれない。」「これが悪かったのかもしれない。」と過ぎたことを振り返っていました。



分からないことばっかりだし自分を責めても仕方ない、誰も悪くない…と思えるようになるまで、時間がかかったように思います。




ただ今になっても、ふと娘の病状について疑問に思うことはあったりして……それが“悪かった探し”とどう違うのかは上手くいえないけれど、個人的な興味というか、単純に疑問に思う気持ちはずっと持ってきました。





当初娘について、症例としてどちらかといえば“あまりみない”“珍しい”といわれたことも、なかなかこうした思いを捨てきれなかった理由かもしれません。




以下、娘の脳性まひの特徴について改めて簡単に記載。


●37週6日に普通分娩にて出産 (28週~切迫早産と気付く)

●出生直後から全身が硬直、陥没呼吸、嚥下状態が悪い。即NICU搬送。

●明らかに重度の障害があるが、頭部MRI画像に異常がないといわれる。

●当初脳性まひとの診断つかず、進行性筋疾患、遺伝に関連した病気を疑われる。

●画像に異常がでていないが、脳幹に損傷があるだろう“脳幹型脳性まひ”と生後約6か月で診断を受ける

●損傷が見当たらない=障害が軽い ということではなく、神経のコアである脳幹に障害があるだろうため、あらゆる症状が考えられ、知的障害も重度だろうといわれる。

●1歳6か月時の頭部MRIにて脳梁が月齢より小さい、脳梁の軽度萎縮/低形成の可能性アリと診断があったらしい。度々頭囲が小さいとの指摘はよく受けている。

●その他…「嚥下・顔の筋肉の動き」の障害が特に重く出ることが、“脳幹型脳性まひ”の特徴とだといわれる。









脳性まひは本当に人それぞれ症状が違っていて、正確な情報を得るのは難しいことなのかもしれない……そんな風にも感じていますが、今回産科医療補償制度を利用できたことで集められたと思っている情報もあるので、少しまとめてみたいと思います。




→次記事
「娘の脳性まひについて寄せた疑問あれこれ」(コチラ)に続きます。



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2018-05-06(Sun)

先天性脳性まひと産科医療保障制度

※5/9追記(訂正)あり 記事本文に記載

※11/10追記…この記事に少し書いた「分娩のことも全く(娘の)脳性まひと無関係ではないと判断されたから申請対象になったのではないか」という疑問については、続く記事2つ(コチラコチラ)をお読みくださると嬉しいです。






先月遺伝科に行った際にふと疑問に思ったこともあって、なかなか気軽に話題にしにくい内容なのですが、娘の産科医療補償制度の申請について少し書きたいと思います。




【産科医療補償制度とは?】

改めて記載するまでも…かもしれませんが、産科医療補償制度は、分娩に関連して重度脳性まひになった赤ちゃんの家族に国から補償金が下りるという制度です。


産科医療保障制度0506 - コピー


申請の条件が、

●在胎週数33週以上かつ出生体重2,000g以上、または在胎週数28週以上で低酸素状況を示す所定の要件を満たして出生したこと(※2015年以降出生のお子さんは在胎週数32週以上かつ出生体重1,400g以上、または在胎週数28週以上)

●先天性や新生児期の要因でない脳性まひであること

●身障者手帳1級・2級の脳性まひであること


…とかなり厳しく、制度が必要な障害のある子の家族に行き渡っていないという意見も多いようです。




機構のホームページをみると、これまでに補償対象になった人は、制度が始まった2009年~2017年7月末地点で2,094人、(申請したけど)補償対象外になった人は619人となっていました。



なんとなく私は勝手に、”患者家族が産科医を訴えて揉めると、只でさえ数が少ない産科医の数が減って困るから、国が作った制度”…というややネガティブなイメージを持っておりました。





【申請まで…私の娘の場合】

結果的になのですが、私の娘は2歳7ヶ月のときに申請の認定がおりています。



娘の場合、産院・搬送先のNICUでは、当初、脳性まひの”の”の字も出ず、この話は一切出ませんでした。



その後に転院した専門病院(今の掛かりつけ病院)にて、初めて「脳幹型脳性まひ」なのではとの診断がつき、部長の先生が、「ゆくゆく産科医療補償制度に申請してみてもいいかもしれない。」と言葉を掛けて下さいました。




さらにそののち、長期入院から退院する1歳8ヶ月のとき…当時の主治医に申請について伺ってみたところ、こちらの先生は、「申請しても通らないのではないかと思う。」「MRIにこれという画像異常がないので、この状態で認定されるかわからないと思う。」という、少し異なる意見を下さいました。







【制度のコールセンターに直接問い合わせ】

病院にいた頃、娘関連の書類をみると、目に入ったのは「先天性脳性まひ」という言葉。

「そういや産科医療補償制度の条件に先天性はダメとかあったっけ?」

「前の主治医の先生も通らないかもって言ってたなあ。」

…などと認定が厳しいのかもと思いつつ、在宅生活が軌道に乗りはじめた2歳のとき、機構のコールセンターに問い合わせてみることに。






まずオペレーターさん??の女性の方が出られて、「申請について医師でも意見が分かれそうなので、申請できるかどうか相談したい。」というと、生年月日、在胎週数、出生体重、産科医療補償制度の受付番号のようなものを聞かれました。

(番号が分からないというと、産んだ産院の名前をきかれ、伝えると登録を確認してくれ、次の担当者に繋いでくれました。)






次に出てきた担当の方に、画像異常がないことや先天性脳性まひらしいことを伝え、「これでも申請してもいいのか」と伺うと、「先天性脳性まひでも、通らないこともない。申請が通るともいえませんが、申請の条件は満たしています。産院に連絡を取って手続きを進めて大丈夫です。」とお答えいただきました。




機構から「申請してもいい。」言われたことに安心した私は、産院・そしておそらく提出書類関連でお世話になるだろう掛かりつけ病院に対し、「機構が申請してもいいと言ったので申請したいのですが、ご協力いただけますか?」と話をすすめることができました。






【先天性脳性まひって??】

”先天性脳性まひ”という言葉からは、私は「生まれる前から脳性まひってこと?」「出産のときのことが関係ない脳性まひなの?」と混乱した印象を受けてしまいました。


少し古い本で、 この1冊に書かれている情報が絶対的に正しいか不明ですが、私が読んだ脳性まひに関する本には、先天性脳性まひ(そしてそれに対するものとして後天性脳性まひ)について、こんな感じで記載がありました。



先天性脳性まひ0506 - コピー

※参考の本「脳性まひ児の早期治療 第2版」監訳:今川忠男 2003年発行




新生児仮死全般も”先天性脳性まひ”という呼称なのか…と少し意外に思ってしまったのですが、個人的には先天性(生まれつき)という言葉の捉え方が、小児の病気や障害においては難しいようにも思います。



娘を産んだばかりの頃の私は、「脳に障害さえ負わなければ普通の子供だったのに。」という想いが強く、悲嘆にくれていました。



その後に目にした脳性まひの書籍のいくつかに、”脳性まひは多様な要因によって引き起こされるものであること”、”脳性まひが周産期の異常な出来事に由来するものとは限らないということ”、”早産も胎児期の出来事(妊娠の早い段階)から引き起こされるのではないかと考えられていること”……などなど色々書かれていて、サッパリわからん!と思い……なかなか自分を責める気持ちは消えないけれど、でも「考えても分からないことで悲嘆にくれるのはやめよう。」という気持ちも湧いてくるものでした。








【先天性疾患があっても通るケースもある】

そしてコレは、私が先日遺伝科に掛かった際に疑問に思ってしまったことなのですが…脳性まひとは別に”先天性の疾患”があった場合、産科医療補償制度には通らないのか??ということ。



(「もし先天性の疾患を探す検査で、あとから何か引っかかってきた場合、認定が下りたことは間違いではなかったのか??」と思ってしまったので…)




制度を利用できた身ながら全く理解していなかったのですが…産科医療補償制度のホームページをみると、補償対象について、


広範な脳奇形があり、かつ、重度の運動障害の主な原因であることが明らかである場合は、補償の対象としません。しかし、脳奇形があっても、それが重度の運動障害の主な原因であることが明らかとは言えない場合は、「除外基準」に該当しないことになります。また、お子様の先天性の要因であることが明らかとは言えない場合も、「除外基準」に該当しないことになります。

…などと書いてあり、21トリソミーのお子さんや遺伝子異常のあったお子さんでも通ったケース(そして通らなかったケース)の事例が載せられています。




どうやら審査が通るかの重要なポイントは、重度の運動障害が脳性まひから来てるのか、それとも先天性の疾患から来てるのかのようで、例えばもし、うちの娘に後々なにか別の疾患名がついたとしても、運動機能の障害が脳性まひから来ているという診断なので、申請が下りたのかなあ、と今回改めて思いました。





(疑われた他の病気の可能性を除外できたこと、…筋電図検査、脳波検査、ABR検査などで、運動障害が筋肉ではなく、脳からの信号の異常からきている…などなど、審査の条件に当てはまる内容だったのかなあ、と。)


(またうちの娘は、脳損傷が画像に見当たらないものの、脳梁という部分が月齢より小さい(萎縮?)といわれていたり、先日は頭囲が小さいという指摘がありました。”脳奇形”という言葉を使われた先生もいたので、”脳になにかある”と認められたんですかね…)





また先日遺伝科の先生にこの話をご相談したときには、「分娩のことも全く(娘の)脳性まひと無関係ではないと判断されたのでは。」というようなご意見もおききしました。うーん、ホントによくわからない世界…。







【制度の利用について感じること】


産科医療補償制度の年度別の審査件数をみると、年々減少傾向にあるようです。

産科医療保障制度の件数0506 - コピー



なんで申請が減っているのか?については、産科の事故的な案件が防がれるようになったからなのか、申請の条件が全くニーズに合ってないからなのか…←5/9追記・スミマセン、よく考えたら平成24年度以降に出生されたお子さんの分はまだエントリーを受け付けている状態だから総数が少ないのであって、年々減少傾向にある、とは言い切れないですよね…。いい加減な見方をしてごめんなさい。


認定が下りた側の人間が軽々しく口にするのもなんだけど…条件を満たしていない人でももっと気軽に申請したり、問い合わせたりして申請の幅がもっと広がらないのかな、と思いました。




我が子の不確かな脳性まひの原因、先天性疾患の可能性は脳性まひ児に大いにあり得ることだという遺伝科でのお話などに改めて思いを馳せると、制度に認定されたケースと認定されてないケースに原因という部分ではどんな差異があるのか。脳性まひの予防を第1に掲げるならより多くのケースを取り上げなくていいのか…など色々考えてしまいます。





私の場合…申請にあたっては、検査入院したり、子供の動画や写真を用意したり、嫌な思い出のある産院に書類を取りに行ったり…ただでさえ忙しない生活の中において、面倒だと感じたこともありました。


(しかも産院の先生には会ってもらえず、結局ひと言も言葉を交わさないままでいます…。)




救いだったのは、掛かりつけ病院にて「申請しても通らないと思う。」と仰っていた主治医の先生が代わり、次の新しい先生が「お母さんが申請したいなら反対しません。できることに協力します。」と言ってくださり、前向きな気持ちで申請にのぞめたことです。



主治医の先生が協力的かどうか、病院側とのコミュニケーションも母親の精神的なストレスに関わってくるようにも思います。





申請が棄却された場合、どうやらもらえるのは認定されなかったという紙切れ1枚の通知のみ。


もし大変な思いをしながら申請して、結果が通らなかった場合でも申請してよかったと言えたのかな、と思うと、労力に見合わないという理由で医師側も気軽に薦めにくく申請件数自体が減っていたりするのかな、と勝手な憶測ですが感じてしまいました。




認定が下りたものの原因分析についてはまだ回答がなく、また結局原因が分からないことも多いときいていますが、どんな結果でも冷静に受け止められればと思っています。



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原因不明の脳性麻痺の娘・あおいについて綴るブログです。喉頭気管分離オペ・胃ろうオペを受けています。

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