2018-02-13(Tue)

重度脳性まひの母が自閉症療育(ABA)の本を読んでみて

最近、お友達のお母さんから、「新しい療育をやってみた」というお話も聞いて、自閉症療育の本……主にABAという療育について、ちょくちょくと調べてみました。



娘のあおいは、絵カードでほしいものを要求するようになったものの、最近“食べる”ことばかり要求してきたり……他の人への興味がなく落ち着きがなかったり……そもそも呼びかけに反応しなかったり……かかわり方について改めて悩むところも多かったので、視点が変わるかな、と思ってのことでした。



そもそもの話、自閉症についてよく理解していない私ですが……



娘が1歳5か月のとき、主治医の先生に、「うちの子は自閉症も持っていませんか?そういう可能性もありますか?」とお尋ねしたことがありました。



「ものすごく障害が重いから見過ごされているけど、別のところで自閉症もあったりしたら、その療育はしなくていいのか。」とかアンポンタンの頭で分かりもしないことを考えていたのです…。



そして、当時の先生には否定され、また最近になって同様のことを色々相談しはじめても、娘の障害については、いわゆる“自閉症”とは異なるものだろうとお話を伺っています。




●娘の場合、そもそも脳の損傷からきている心身の障害の度合いがかなり大きい。(それは分かっているつもりなんですが)


●心身ともに感覚が相当に鈍い。それが“自閉”ともとれる反応のなさとしてあらわれている。


●自閉症児への療育も部分部分として取り入れるならアリかもしれないけど、現段階では相当にハードルが高いのではないか…と。





確かに私自身、発達障害や自閉に関する療育本をここ暫くちょっと読んでみながら、「うーん、同じことはできないなあ。」と、感じてしまいました。



でも今回初めて知れたことも色々あったので、最近読ませてもらった中で、印象に残った自閉症療育に関する2冊の本の感想を主に簡単に書き綴りたいと思います。





1・「“ママ”と呼んでくれてありがとう」


ママと呼んでくれてありがとう - コピー

「ママ」と呼んでくれてありがとう 自閉症の息子と歩んだ早期ABA療育の軌跡 」・ヒューマンケアブックス・杉本美花著




この本は、発達障害のお子さんのお母さんが、ABA療育というものに取り組み、その成果や育児への思いを記録されたものです。


1歳過ぎて成長に異変を感じ、2歳で精神発達遅延の指摘&自閉症疑いの診断…。その後すぐにABA療育を行なっているという会に入会し、訓練に取り組んで、良くなっていった…言葉を獲得していった…という軌跡が描かれています。



Amazonのレビューをみると、「この子の場合は結局そんなに重くなかったからこれだけの結果が出た。」というような感じの意見もありますし、私も自分の娘とはとても当てはめて読めるものではなかったのですが……


ただ、本の冒頭にて、お母さんご自身が取り組まれてきた療育について、「すべての子供の問題を解決できるわけではない」とハッキリ述べられていて、「知的障害は訓練すれば治る」などという誤解を与える内容にはなってはいません。



また「言葉を獲得できていない発達障害のお子さんが具体的にどんな訓練をしたのか」、という点でとても興味深く、分かりやすく読ませてもらいました。




この肝心のABA(※“応用行動分析”という意らしい)というものなのですが……アメリカの心理学者さんが創始されたもので、“環境を操作”しながら望ましい行動を教え、問題行動を減らしていく…という研究で、それに基づき主に自閉症の子供達を支援するセラピーが行われているようです。


(ABAのなんたるかについては、理解力の低い私がちょっと本を読んだくらいではとても正確に説明できないのですが…ざっくりとこんな感じ??)



とにかく本を読んで受けた印象としては、週に何十時間単位でセラピーの時間をとるようになっていることや、課題がとにかく段階的に細かく分かれていてスモールステップになっているのが特徴のように感じました。



絵カードもセラピーの1つとしてあげられています。


また基本的には机の上で行う課題が多いようで、できると“強化子”とよばれるごほうびを与えて、子供を躾けていく……という訓練色の強いもの。でも「子供を積極的に褒める」ことも推奨されていて、読んでいて暗いイメージは持ちませんでした。





私も少し興味を持って、この本に出てきた療育を行なっている会に、自閉症児ではない重度脳性まひ児・重度心身障害児でもセラピーの対象になるのか……医療ケアがあっても受けられるものなのか……など問い合わせをしてみました。



すると、医療ケアがあるからといって入会を断るようなことはない、とのこと。ただそもそもセラピー自体が親主体で行うものなので、ケアも誰かに委託できるものなどではないことは留意してほしい。


また訓練については、成果はお子さんによって異なり、脳性まひ児にも効果があるとは言い切れないけど、幅広い発達障害のお子さんをセラピーした実績があるので、生かせることがあるかもしれない。


ただセラピーを受ける体勢として??座れるかどうかが重要。椅子と机のようなものに座って課題に取り組むので、なんらかの形でそういう姿勢がとれるようにしてほしい。




……というように、とても親切に色々とお答えくださいました。





“座って課題に取り組む”っていうのは、肢体不自由児の親(しかも重度心身障害児の親)としては、その地点でかなりのハードルであるように思ってしまうんですけどね…



うちの子は床で座位をとれるようになってきたものの、座りながら両手を使う動作なんかは余裕がない感じです。座位保持椅子を使ってよければ、そういう状況をつくれなくないけど…やはり”身体が動かせない”という部分がどうフォローされるのか、そもそも体調のアップダウンに左右されてしまうということなども不安要素に感じてしまいました。



また無料で受けられるセラピーではなく、価格については……年会費やテキスト代などがありつつ(詳細は不明)、訪問を受ける場合は、1hあたり4,900円?らしい?(訪問は希望しても受けられなかったりすることもあるらしい?)




利用価格については子供の習い事などと比較してみてもかなり高そうではあります…。



ただ以前、訪問STさん利用の価格帯を伺ったときも確かこの位のお値段だったので、「人件費はこん位かかっちゃうんだね」という設定のように思いましたし、退会者の率を公表されていることなどからも、変なところで疑り深い私のアヤしい印象は吹き飛んで、よさそうなところじゃないかな~と個人的には感じました。




でも、そもそも身体の状態が安定しないこともあるうちの子が椅子に座って、課題学習をまとまった時間するっていうのはちょっと敷居が高すぎるように思えてならない…。




なんかもーちょい、ユルい感じで、うちの子でもABA的なことを自宅で簡単に出来たりしないのかしらね~とも思って、もう1冊読んでみたのが次の本…。








2・「家庭で無理なく楽しくできる生活・学習課題46」

家庭で無理なくできる生活学習課題 - コピー
「自閉症の子どものためにABA基本プログラム 家庭で無理なく楽しくできる生活・学習課題46」ヒューマンケアブックス・井上雅彦 編著




この本には、そのタイトルのとおり、「無理なく楽しくできる」というABAの課題が、46個、分かりやすいテキストのような感じで記されていました。(しかもシリーズで5冊出ているらしい。)



先程の「ママとよんで~」の本では、「発達障害の療育は早期が重要で、時間との戦い」…というかなり厳しい雰囲気をまとっていたのに対し、この本の先生は、「最近の脳科学では脳は成人になっても学習し続け、発達し続けるといわれている。」「療育はジョギングのようなもの。」「毎日少しずつでも続けていくことが大事。」と、より緩やかで優しい印象です。




ただ「無理なく楽しく」といっても、自分の子にはこちらもハードルが高いと思う内容ではありました。(←どっちやねんっていう…)



やり方次第でうちの子にも取り組めるのかな…と感じたのは、「着替えのときにこういうように場所を変えてこういう風にするといい」とかそういう生活に直結した部分。


また基本的な “どうぞ”と“ちょーだい”の練習なんかもしてみたいな、と思ったり……


“言葉”を意識して““りんごのオモチャを2個用意して、1個を見本としてみせて、同じものを出してくるように促す”とかそういう遊び方についても、なるほど、こういう目的を持って、そういう風に練習して、ステップアップしていくのね~というのが、分かりやすく、読んでいて勉強になりました。





加えて印象にのこったのは、取り組みについて、“ノートなどに記録をとっていくこと”が推奨されていたこと。



うーん、記録とったりすることは私、なんとなく自分を追い込みそうだし、“出来る”“出来ない”って書いてくの、なんか落ち込みそうな気がして、やってこなかったなあ…。


確かにこの本に書いてある課題の1つひとつは“理解”は簡単にできて、難しいものではない。



でも“実践すること”“観察し継続して行うこと”は、本当に大変だと思う…毎日記録つける位の真面目さも大事なのかもしれない……考えさせられてしまいました。








とにかく今回ABAに関する本を読んでいて、今更ながらですが再認識させられたことは、スモールステップで、段階に合わないことにはトライしないということ。



私が日頃、「こういうの分かるようになんないかな~」と勝手に夢見て、試しては玉砕していることが、いかに娘の段階を無視した独りよがりなものか、痛感させられました。



娘を診てくださっている先生からいただいた「心身ともに感覚が鈍い」というのは、娘の状態を的確にあらわしている言葉。


まずは、声をかけて目をあわしていく、褒める時は思いっきり褒めて母(他者)に興味を向けさせる、身体の方のリハビリやマッサージで感覚刺激を怠らない。



基本的なことを、日常でしっかりサポートしていきたいな、と改めて思いました。



(ただ娘にも、伸ばしやすい部分や伸びにくい部分などはあると思うので、部分部分で取り入れていける療育は、色々取り入れていきたいな~という思いもあります。昨年取り組んだ絵カードも娘を成長させてくれたので…)






個人的に、肢体不自由児のコミュニケーションと療育について、分かりやすく書かれているな~と思ったのは、香川県の特別支援学校の先生が書かれている、「支援教育だより」のPart5。


一部自閉との関連についても触れられていて、理解しやすく感じました。


ずっと前に、娘の視力のリハビリの参考になるかと、ここのページをみていたけど、もう1回熟読したいな~と思いました。


ゆっくり、少しずつ、ジョギングのように!?毎日ちょっとずつ出来ることをやっていけるといいな、と思います。


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2017-10-27(Fri)

セカンドオピニオンを受けたときのこと

“脳の画像に何の異常も見られないが、おそらく脳幹に損傷があるため重度の脳性まひである”


……という娘のあおいなのですが、1歳6か月のとき、大阪の病院に、セカンドオピニオンを受ける機会がありました。




この診断を受けるチャンスに出会えたのは、私の母(あおいの祖母)に因るところが大きいです。



関西から孫の世話を手伝いに来てくれた私の母は、「あんたはオリンピック選手を育てると思ってこの子を育てなアカン」と私を叱咤激励してくれ(笑)、「あちこちの病院を見に行って1番よいところを考えなくていいのか。」「もっと良くなるように必死に色々探さなくていいのか。」といった言葉も掛けてくれました。




私自身、病院については…

確かに最初にお世話になったNICUで診断がなかなか付かなかったときにはモヤモヤした気持ちがあったものの、転院した病院は脳神経の検査も詳しく行ってくれ、脳性まひという診断をつけてくれた点でも、感謝していましたし、さらに病院を探すことは思い浮かんでいませんでした。



しかし…!

私の母は、さらに「大阪の方にもいい病院があるかもしれない。」「今度私が(実家に)戻るときに病院の見学に行ってあげる。どこの病院がいいか探してみて。」と、なんとも行動力にあふれる助言をくれたのです。





そこで、私は、全国的に脳性まひの治療については有名らしいとウワサを聴いたA病院と、自分が読んでいた脳性まひの書籍に名前が載っていた先生や療法士さんがいるらしいB病院を、母にみてきてもらえないか、と頼むことになりました。



(加えて、あおいの生まれたときの状況や経過を書いた紙を1枚預かってもらうことにしました。)





関西から戻ってきた母は、みてきた病院の感想を教えてくれ、さらに、B病院では、アポなしの突撃だったにもかかわらず、病院の相談窓口にまで行って、あおいのことを話してくれたそうです。



そうすると、たまたまその病院の窓口に、読んでいた脳性まひに関する書籍の監修をされていた整形外科の先生ご本人がおられたらしく、


「先生がみてもいいと言っている。」

「患者本人が来れなくても、資料さえもらえれば、先生にみてもらうことができる。」




……という風に言ってくださったそう。


「娘自身はとても長距離移動ができる状態ではないが、そんな本人がいなくても診てもらうことが出来るのか。」

「整形外科は今まで掛かることのなかった診療科だなあ。」


……と、とりあえず喜ばしく思ったのを覚えています。



当初、(他の病院の雰囲気を教えてもらえばというだけで)診察を受けたいという思いは全くなかったのですが、リハビリについては在宅に入ったらどうしたらいいのかと色々悩んでいたので、整形の先生の話は是非ききたい…!という気持ちになりました。





そんなこんなで、長期入院にて診てもらっていた病院(今の掛かりつけ病院)の先生に、この経緯を相談することに…。


小心者なので、話の切り出し方にも迷ったのですが、


「母経由で大阪の病院にたまたま話をする機会があって、整形外科の先生に主にリハビリのことを色々ききたいのですが、いいですか?」…などと大層アバウトな質問をしたところ、


先生の方から、「セカンドオピニオンですね。なにを用意すればいいですか?」…とアッサリした感じで、資料を用意することを了承くださいました。




このとき初めて、「あっ、これってセカンドオピニオンってことになるのか?」などと気付くような鈍感さでしたが、医師に相談するにあたっての第1声が、「セカンドオピニオンが欲しい」というダイレクトな表現でなかったのは、もしかしたらよい部分もあったのかな、などと思っています。


(とにかく、自分が頼んでいることをきちんと理解してないトンマな状況で、あえてセカンドオピニオンという言葉でもって対応してくださった先生には本当に感謝ですね…。)





そんなわけで…


まずはセカンドオピニオンを受け付けてくださったB病院に、改めて電話で、必要な資料について遣り取りすることになりました。


そして、


●病院からの診療情報提供書とMRIの画像の入ったCD-ROM


●娘のリハビリの様子を撮影したDVD


●妊娠出産の経緯や、写真とともに娘の成長記録について記載した紙資料
(聞きたいことのリストのようなものも付けてしまった)



……を用意させてもらうことにしました。



そして診察日を予約してから、先に前もって、資料を郵送することに。


診察日には、私の代わりに、また母が話を聞きに行ってくれることになりました。


(夫に面会を代わってもらって、私が行ってもよかったのですが、分離オペ後の退院指導で慌ただしかったのと、もし災害などで交通機関が止まって娘の面会が出来なくなったらどうしよう、という不安もあったので、随分と甘えさせてもらいました。)








そして肝心のセカンドオピニオンの内容はどうだったか、ということなのですが……





あらかじめ質問したいこととして、あげていた事柄(主にリハビリについての不安など)については、すべてではなかったものの、いくつか回答をくださいました。



例えば……


●筋緊張は出生時より改善されてきているが、関節が固いです。装具のようなものを付けて常に関節を広げるなどした方がいいでしょうか。
→装具は子供が嫌がることも多いし、映像をみたところ自分で動く意思もありそうなので、無理につけずに、自由に伸ばしていくことを考えてはどうか。


●自宅でどんなリハビリをしていけばいいのか迷っています。何か素人でもリハビリについて学べるお薦めの本はありますか。
→母子入院をやっているところもあります、本は、「脳性まひ児の家庭療育」という本がお薦めです。


●胃ろうのオペを検討したいがどう思いますか。
→そんなに慌ててすぐに次のオペを決めずに、まずは経口摂取なども積極的に試してはどうか。

…などなど…。





訊きたいことの多くがざっくりした内容で、今読み返すと「こんな質問してどうすんの?」的な事が盛りだくさんでしたが、母から聞いたお医者さんのお話の内容が暗いものではなく、明るく前向きなものが多かったということに、先生のお人柄を感じ、嬉しくもなりました。




また、娘の脳性まひについては、大層疑問に思われていた様子で、


「画像に何もでていないのが不思議。」

「リハビリの映像をみたところ、首のぐらつき方が普通の脳性まひと異なっているような気がする。」??

「脳というよりも、脊髄部分に異常があるか、もし脳に障害があるとしても、極めて脊髄に近い部分では?」


…などとお話されていたようです。




この辺り、母からの又聞きになってしまうと、どうしても情報が不足してしまった部分もあったのですが……


先生は、脳幹の中でも、”延髄”とよばれる、脊椎にもっとも近い部分の損傷を疑っていたと思われ、延髄の外側が梗塞するによって生じる症候群…ワレンベルク症候群のお話をされていたのではないかと思っています。

(母がなんかカタカナの病名を言っていたよと、話してくれたので…)



この“延髄の外側部分”の損傷による障害の特徴?が、嚥下障害で、さらにここにしか損傷がない場合だと、運動機能は障害されない?らしい…。


(娘は、確かに嚥下障害の重度さに比べると四肢の動きは活発なのですが、それでも重度の肢体不自由でもあるので、障害を負っているのは、延髄の外側部分?だけではないんじゃないかなあ、とは今になって思うのですが…)



詳しい話はよく分からないものの、結局のところ、娘の掛かりつけの専門病院と、“脳幹障害”という点で、診断が極めて似ているように思われたので、この点でも“脳性まひ”という娘の診断に、より信頼が持てて安心することは出来ました。






***

また…少し話が脱線してしまうのですが、2017年2月(娘2歳6か月)には、脳に画像異常がないという条件にも関わらず、産科医療補償制度の申請が下りるという一幕もありました。

この点においても、「こんな脳性まひもあるのね。」と納得させられた次第です。特定できるかはともかく、原因分析については来年夏ごろまでに一応回答がもらえる……ということになっているので、何か分かったら書きたいな、と思っています。

***







そして、この診察後、診て下さった整形外科の先生が、娘の入院している掛かりつけ病院にお手紙を書いてくださり、娘は、もう一度、脊椎部分も含めてのMRIをとることになりました。


ただやはり画像には何も映らなかったそうで、診断という意味では、大きく目新しい情報は得られない、という結果でした。

それでも、同じ症状を探すのが困難な中、他の病院の先生の意見を伺えたのはとても貴重でしたし、有難いチャンスだったと思っています。




この先生には、母を通してのこの一度きりしか掛かっていないのですが、ご親切にも、「もし大阪に来ることがあれば、今度は紹介状なしでみます」とも言って下さったそうで、私からは、お礼状を書かせてもらいました。







なんだか、セカンドオピニオンというと……


●主治医の前で言ってはいけないワード

●今の病院にグッバイして次に行くときにいう言葉



…というようなイメージが私の中にあったのですが、実際のところは、そうでもないようで、
本来の意義は、「患者にとって最善と思える治療を、主治医と判断するために、べつの医師の意見を訊くこと」だそうで、本人不在でも受け付けている場合があるということも初めて知りました。



いきなり病院に見学?に行って、聞きたいことも明確にしないまま、とりあえず診察の確約を先に取り付けて、あとから資料を要求する……多分これは、本来のセカンドオピニオンの流れから大きくずれてしまっているし、ホントよく怒られなかったな(笑)と思うのですが、こんなこともあったね……ということで……。





なにより、母が私に、「自分の知り合いなどで病気になった高齢者たちは皆必死であちこち動いてよりよい病院を探している。なぜそれをあなたは小さい子のためにできないのか。」と言ってくれたおかげで、こういう経緯がありました。


母の気持ちには感謝なのですが、でも、やっぱり、私には、障害のある子の医療事情は、そういう高齢者の人たちとはまた違うんじゃないかなあ、という思いもあります。





障害のある子の親は、「病院に嫌われたら怖い。」「診てくれるところがなかったらどうしよう。」という不安をどこかで持っていて、(どんなにいい病院であったとしても)病院側とのコミュニケーションには気を遣ってしまう…。


加えて小児の特殊な病気は、患者数自体が少ないものの、診てくれるお医者さんも多くないから、俗にいう“病院のウィンドウショッピング”みたいなものは、出来るものではないんじゃないかと…。






ただ、在宅生活に入ってからは、セカンドオピニオンという形ではないものの、訪問診療の先生、療育園の先生など、娘と関わりのある医療機関が増え、同じことを違う科の先生にきける機会を増やせたことは大変有難く、昨年、胃ろうオペについて散々悩み倒したときにも、複数の先生の意見を訊けたことは、とても心強いことでした。



このつながりは今後も維持していきたいと強く思っていますし、娘の治療には親としても積極的に関わっていく、という姿勢は忘れないようにしたいと思います。




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2017-09-29(Fri)

地域の子ども達との触れ合い求めて

娘の胃ろうケアが落ち着きだした今年の夏から、市が提供している乳幼児の集まりの場や、児童館などに、娘を連れて出掛けるようになりました。


現在、娘のあおいは週1回児童発達支援のデイに通ったり、リハビリに通ったりしているものの、子ども達とのかかわりが圧倒的に少ないと感じる今日この頃……。


加えて、兄弟がいない1人っ子であること。母の私が専業主婦であること。


どちらも自分の子どもと向き合う時間が多くあるという点では大変に贅沢なのですが、どうしても家で2人っきりでいる時間が多いと、閉塞感を感じてしまうこともありました。





そんなわけで…
とりあえず、安易に参加できそうな、近くの子どもの集まる場所に積極的に顔を出せないかなあ、などと思い始めたのです。




出掛けるにあたっては、事前に、娘の状況を施設側にお伝えして、吸引という医療ケアが主に必要で、機械などを持ち込むこと等、色々お電話でお話をしました。



「そもそも子供たち全てに開かれている場なのだから、障害児だからって、気を遣って、そんな断りを入れる必要はない」という気持ちもありますが、事前に色々話しておいた方が、私自身がサポートを受けやすく楽かなあ、何かあった時のためにもいいかなあ、と思ったので…。




また集まりの場によっては、“参加年齢0歳~3歳”というところもあり、「今年7月で3歳になった娘は年齢的にオーバーなのかしら」…と参加を迷ったところもあったのですが、これには都の保健師さんも相談に乗ってくださり、保健師さん側からも、施設の方にお話をしてくださいました。


(3歳といっても、娘は未だに道を歩いていると、「何か月ですか?」ときかれるくらい、月齢に関しては、良くも悪くも、かなりサバが読めてしまうのですがね…。)







そんなこんなで、こういう集まりの場の雰囲気すら全く分からないまま、ドギマギしながら通い始めたのですが…


乳幼児の集まりの場も、児童館も、こういう場所は、やっぱり、赤ちゃんというか、1歳未満のお子さんが圧倒的に多い。(1~2歳過ぎるとみんな保育園に通いだしたりするものね。)



同年齢で行う集団保育的なものとは雰囲気はまるで違いますが、走り回ったり、ハイハイするお子さんや、大きな声で泣く赤ちゃんがたくさんいて、その空間にいるだけで娘にとっては大きな刺激であるように感じました。


またヒトよりもモノに対する興味が強い娘にとって、大勢の人数がいる場所を経験させられるだけでも、貴重です。



この年齢だと“一緒に共通のことをして遊ぶ”というのはなかなか無いようなのですが、それでも、娘に向かってきてくれるお子さんがいたり、同じオモチャを取り合いっこ?したりするような場面があったり……兄弟のいないあおいにとっては、なかなか普段経験できないようなことが沢山ありました。







そして、こういう場所に行くにあたって、私が密かに心配していたこと…

それは、


「娘が異質な存在としてジロジロみられて、母親の私がしんどくならないかな。」
「知り合いがいないところに出かけると、1人だけ孤立したりして、落ち込んだりするのかしら。」



なーんて…この期に及んで、自分のメンタルの方をあれこれ不安に思っておりました(笑)。




確かに、最初の数回は、ずずーんと言いようのない疲れがあったのは事実ですが、(吸引するのに周りの目を気にしてしまったり、あと1人だけ荷物が多くて中に入るまでがしんどかったり…)回を重ねるごとに少しずつ場離れしてきました。



娘をギョッとして見る方もおられなくはないですが、今のお母さんたちは優しい人たちが多いのか、「かわいそう」とか「怖い」などと言う方はおられず、普通に娘の年齢を訊いたり、話しかけてくれるお母さんもいて、暖かいなあと思いました。



またこういう集まりの場に私が勝手に抱いていたイメージ…児童館ではママ友のグループみたいなのが出来上がっていて、1人でいると浮くのでは?…というのは、実際のところ、そんな雰囲気でもないように感じました。

(私がオモチャ図書館が来ている時だったり、イベントのときを狙って参加しているのもあるかもしれませんが…)



知り合いどうしで集まられているお母さんたちも多そうな反面、走り回ったり、駄々をこねたりする自分のお子さんの世話にかかりきっている方も多く、優雅なママ友の集まりとは程遠く、みんな必死(笑)。案外、娘も私も、その中に紛れられて過ごせるものだなあ、と。





最近は、徒歩で移動できる場所にある、乳幼児の向けの集まりのスペースによく参加させてもらっているのですが、こちらでは、カウンセラーさんや助産師さんが、母の悩みをきいてくださる…というような日もあって、私自身、外に出て、娘のことを話せる場があることが、大きな気分転換になっています。



保育士さんもおられて、娘の成長や遊びについて、みてくださるのも嬉しい。集団保育的なことにも触れるチャンスを下さったりして、本当に、本当に、有難く感じています。






単発の集まりだと、継続して人間関係が築きにくいこと……障害児育児をしているお母さんとは直ぐに色々な共通の話題が出てくるのに対し、上手く話せず、打ち解けられない自分がいること……。



これは正直なところ、悩みに思う点ではあります。



でも、これは、“母の気持ち”に因る悩み…。



去年、自分のメンタルがどん底にあって、カウンセリングを受けていたとき、その先生が掛けてくださった言葉の中に、「何かに迷ったときは、感情と目的を整理してください。そうすると最初に掲げたであろう目的は、感情を必ず上回るはずです。」というものがありました。



娘の障害についてもっと知ってもらえるといいなあ、とか、健常児のお母さんたちとすぐに打ち解けて仲良くなれたらいいのになあ、というのは、私の感情の問題。


人生何事もそんなにカンタンに100点満点とれるようなもんでもない。特にこんなに不器用な自分ならなおさら。


「娘が子供達と触れ合う機会を増やす」という当初の目的が達せられていれば、それだけでも充分じゃない、と思うと気持ちが軽くなりました。





来年4月からは療育園へ娘の通園を開始できないかな、という思いがあって、今お世話になっている、3歳までという乳幼児の集まりの場には、それまでの間、もう少しお邪魔させてもらいたいな、と考えています。



娘の育児について……とにかく内へ、内へと向かっていることの多かった私のエネルギー(笑)……地道に娘と療育に取り組む時間も大事にしたいと思っていますが、外へも目を向けつつ、母親の私自身も、少しずつ、“触れ合い”を超えた、地域との“かかわり”を色々模索していけるといいな…と思っています。




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2017-06-01(Thu)

娘と2人でランチ ~障害のある我が子を連れての外食で迷うこと~

私の密やかな憧れ……それは、休日ファミレスで揃って食事をする家族だったり、平日ベビーカーを連れながらママ友同士でランチするお母さん方だったり……

いつも日曜日に夫婦交代で、娘を代わる代わる自宅でみつつ、気分転換も兼ねて1人ずつランチに出かけているのですが、お店にて、お子さんを連れて家族揃って外食している方々を見る度にうらやましく思ってきました。


昨年からの私と娘の在宅生活は、大方引きこもりといっていい有様で、「病院生活に戻りたくない」「感染症がこわい」「吸引が多いから外に出るのがしんどい」…と、これまであまり外に出て行くことに積極的にチャレンジしてきませんでした。

(かろうじて出来ていたのがスーパー・本屋への買い物と、ファーストフードのテイクアウト。)


しかし、4月から保育活動がはじまり、胃ろうオペ後の経過も落ち着いてくると、娘とともにもっと外に出てみたい、普通の生活をしてみたい、という意欲が湧いて来ました。


障害児を連れてのお出かけ…その子供の障害によって、親が悩むことも人それぞれのような気がします。


けれど多くの親御さんが子供を連れての外食に当たって気にされることといえば、子供が走り回ったり、大声で泣いたり叫んだり騒がしいということだと思うのですが、こと私の娘に関して言えば、肢体不自由で、気切(分離)オペもしているので発声が不可……と、こういった悩みとはある意味、無縁でいられるのです。



そんな私が娘を連れて外食することについて、なにに一番迷いを抱いたかというと、やはり店内で吸引をすること。

「かわいそう」と言葉をかけられることや、奇異の目線でみられることは、気にしても仕方ないと、少しずつ自分の中で割り切ってきました。


けれど娘の障害を恥と思わなくても、往来にて堂々と医療ケアをすることには少しばかり恥じらいを感じてしまうのです。
(電車の中で化粧するのはちょっとね…みたいな感覚かもしれません。)


特に、食事をする場所や食品を扱う場所で、いわば体内のものを外に出すという吸引をすることについては、“なにも知らない人がはじめてみると、驚くかもしれない”“もしかしたら不快感を与えるかもしれない”…などと不安になることもあるのです。


この吸引について、言葉で説明するのって意外と難しい…と思うのは私個人の感想なのかもしれませんが、

以前、障害児育児とは縁がない友人に、娘本人がいない場所で娘について説明するときも、

「嚥下障害っていって、自分の唾も飲み込めなくて……それを機械で吸わなくちゃいけなくって……歯医者さんで歯をガーってやってもらってるときに、口にたまる水をガーって吸ってもらうアレみたいな感じなんだけど…」

と、実にしどろもどろな説明になってしまいました。


娘と一緒に飲食店を利用するにあたって、店内に入る前に、この吸引について説明した方がいいのか。

事前にお店に電話でもして、医療ケアのある子と食事してもよいか訊いた方がいいのか。

そのあたりがどうにも気になってしまいました。

不安に思って、訪問看護さんたちなどに色々相談させてもらったりもしたのですが、
「そこまで反応しなくてよいのではないか。」「あおいちゃんの顔をみせれば十分分かってもらえるのではないか。」などとアドバイスをくださいました。


そうよね…。私も自分が飲食店でバイトしていたから思うけど、本当にいろんなお客さんが来られて、中には信じられないような要求をされる方もいるのよね…。娘と私が一緒に入店するくらい、いいんじゃないかしら。もしお店の人や他のお客さんから、なにか指摘されるようなことがあったら、そのとき省みることにしよう。



そんなわけで、あおいの体調がよさげで、吸引も少なかった先日、はじめて娘と2人きりのランチにチャレンジしてみることにしたのです。


といいつつ、はじめての経験だったので、お店に関しては以下の点に気をつけてみました。


●入りやすい雰囲気かどうかを重視し、ファーストフート店やカフェっぽいお店、ファミリー層が利用するレストランなどをチョイスする


●お店が空いている時間(11時頃というランチには少し早めの時間など)に行ってみる

●自分が以前利用したことのあるお店にして、店内のテーブルスペースが、各々ゆとりあるようなお店を考えてみる




お店の入り口では、
娘の顔を店員さんにみせて、「この子と一緒に店内で食べてもいいですか?」「ちょっとケアが必要な子なんですが、中で食べてもいいですか?」

というような感じで、ごく簡単におききしました。

(その後利用させてもらったお店も含め)店員さんがみなさん快く迎えてくださった上、私が頼まずとも、広さに余裕のある席や、角の方の席を案内してくださったり、ベビーカーを留めるスペースをあけてくださったり、とても親切にしてくださいました。

(対応していただいたことで嬉しかったことは、今後、お店のアンケートなどお伝えできるような伝手があれば、そういうもので発信したいとも思いました。)


心配していた吸引については、数回あり、ベビーカーのルーフを下げながら、目立たないようにチョコチョコっとさせてもらったのですが、閉め切った家の中では気になる吸引機のモーター音も、雑音のある外、BGMの流れる店では意外にそれほど気にならないように思えました。




ランチ0531 - コピー

↑「え…私の分ないの?」と、こちらに訴えかけるような目線のあおい。
近くにあるちょっとオシャレなカフェでのランチにトライしたときの写真。サラダプレートみたいですが、これがなんとメインのお料理。お恥ずかしながら、いつもお昼にカップ麺や卵かけご飯などを食していることも多い私にとって、まさに五臓六腑に染み渡るおいしさでした…。




家でずっと2人きりでいるよりも、たまにこうして外出できること…外で私が食事をする姿をあおいがみること…時々ほかのお子さん連れの方の賑やかな声がきこえること…どれも娘にとって刺激になって、とてもいいように思えました。


私自身も、家に長い時間子供と2人きりでいるよりも、外の空気を吸うことで、随分と気分がリフレッシュされるものだと感じました。


そして、正直に思ったのは、2人だとちょっと寂しいかも…ということ。


こういうとき、気軽に一緒にランチできるようなママ友が自宅近くに住んでいるといいなあ、多分もう一人いるとお店に入るのにも心強いんだろうなあ、と素直に思ってしまいました。

この先、私自身が地域で色々つながりを広げられるかどうかも、トライしていきたいことのひとつかもしれません。


でも、今度はまず、家族揃っての外食にもトライしてみたい……休日になってしまうと店内が少し混んでいるかもしれないけど、より賑やかであおいにとってもより刺激になるかもしれないので、今度夫にも相談してお出かけしてみようと思いました。


一日が終わるたびに、無事に過ごせたことに胸をなでおろすような毎日ですが、家族で食事にでかけたり、行楽施設にいってみたり、旅行にでかけたり……色々してみたいこと、密かに抱いている野望はたくさんあります。


医療ケアが必要なことで、まわりに目を配らなければならなかったり、その視線が気になったり……そして、自分が気付かない点やまわりの人との意識の差に、学ぶ場面も沢山でてくるかもしれません。

けれど、少しずつ、娘との日常的なイベントを楽しむことができないかと思っています。


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2017-04-19(Wed)

“マックハウス”にお世話になったときのこと

娘のあおいが、専門病院に長期入院していた頃、「ドナルド・マクドナルド・ハウス」(マックハウス)という、チャリティーで運営されている宿泊施設に、3週間滞在させていただいたことがありました。


専門病院に転院して間もない頃(娘が6か月の頃)、私は母乳を搾ることに躍起になっていました。そのため、搾乳に一日の多くの時間をとられてしまっていた上、自宅から病院まで1時間半以上かかってしまうため、なにかと慌ただしく過ごしていたのです。

(母乳を搾ることに必要以上にこだわってしまっていたことには、今となっては後悔の気持ちもあります。)


そんな中、同じ病室にいらっしゃったママさんが、「近くにマックハウスというところがあるよ。」と教えてくれました。


マックハウスとは…
ファーストフードで有名なマクドナルド社の協力で運営している滞在施設です。お家から病院が遠く離れていた場合、病気のお子さんとその家族が病院の近くに滞在できるように…と、つくられた宿泊施設だそうで、私はこのとき初めてその存在を知りました。



ドナルドマクドナルドハウス公式ページ 寄付も受け付けられています。




あおいが入院させてもらっていた専門病院のある地域は、いくつかの医療施設が群立している場所だったこともあり、幸運にも、この「マックハウス」が近くにあったのです。

私は、「病院まで行く時間がかかるとはいえ、通える距離だしなあ。私でも滞在オファーしていいのかなあ。」と思いつつ、お電話をかけてみました。


電話口の方が丁寧に応対してくださり、娘の入院している病院名や、入院期間などについて尋ねられました。
「〇日からなら、3週間滞在できますよ。」「搾乳した母乳を保存できる冷蔵庫もあります。」と仰ってくれました。

夏休みや春休みの時期は、全国から、必要な治療を受けるために、家族でハウスに滞在に来られる方が多く、大変混み合うとのことでしたが、私が希望を出したシーズンは、運良く空枠があったようです。

滞在にあたっては、「この子はこの病院にこの期間、確かに入院していますよ。」と証明するための、お医者さんにサインしてもらわなければならない書類があっただけで、手続きは非常に簡単でした。



マックハウスに着くと、ボランティアさんがハウスの説明をしてくださいました。

☆外出時、帰宅時はかならず受付にあるノートに記帳すること。外出時間の制限などはない。
☆宿泊料は1泊1,000円。(正直、病院までの往復の交通費より安い金額でした。)
☆シーツ交換や、ごみの分別、部屋の清掃などは自分で行う。
☆共有のキッチンスペースを自由に使ってよい。コインランドリーもある。

…などなど。


ベッドルームは個室になっていて、ユニットバスもついていました。とても綺麗で明るい雰囲気です。

キッチンスペースには、フライパンや包丁、食器類も揃っていて、自由に使ってよい、とのこと。
加えて、近辺の地図が置いてあり、スーパーやベビー用品を売っているお店をお知らせしてくれているほか、そこに行くために、自転車まで貸し出してくれる…と本当に至れりつくせりでした。


このマックハウスのおかげで、滞在期間中、早朝から娘に会いに行けました。搾りたての母乳を注入することができて嬉しかったです。また娘は、家族のいない間はチューブ抜去防止のため固定具を腕に装着されていなければならないのですが、より長い時間面会することができたおかげで、訓練や遊ぶ時間も増えました。





夜、施設に戻ってくると、共有のキッチンスペースで、ほかのご家族と食事時間が一緒になり、お話する機会もありました。


遠くから来てらっしゃる方が多く、

「ここでしか診てもらえないといわれてやっとの思いで来た。」
「前にいた病院ではできない手術だったのでここへ来た。」
「以前診てもらっていた先生を追いかけてきた。」

…などみなさん様々な事情を抱えられていました。



「ほんの少し前まで元気に歩いていたのに、突然発症した。」…とお子さんのことをお話されていた方もいました。


私は、このとき、NICUから出て新たな病院に来たばかり…お恥ずかしながら病気や障害のあるお子さんたちのことをまだよく分かっていませんでした。


勝手に自分の中で、世の母親が、「無事に健常な子供を産めたお母さん」と「障害のある子供を産んでしまったお母さん」の2つに分かれていて、自分が後者の方であったことに、惨めで恨みがましい思いを抱いていました。


けれど、このマックハウスや専門病院で色々なお子さん、親御さんとお会いするうちに、“障害”“病気”にも本当に色々なものがあって、みなさん抱えている苦悩がそれぞれあること…それぞれのご家族の困難に思いを馳せずにいられませんでした。


そして、原因も治療もよくわからない病気や障害も存在しているのだ…ということを知るたび、“健常者”の自分が、普通に日常を過ごしていることの方に珍しさすら感じるようになりました。実は、“障害者”にはいつでも誰でもなり得るのではないか…そんなようなことを思い浮かべるようになったのは、このときからです。




私の滞在させてもらったハウスでは、最大4週間までの滞在が可能でした。滞在可能期間を過ぎても、お子さんの入院が続いていて、追加で宿泊したい場合は、確か、一旦ハウスを退出してから、また1週間(だったと思います)あけて、再度滞在の手続きをとる…というようになっていました。


ずっと連続で泊まり続けることはできないルールらしく、都内にある複数のマックハウスを行き来しながら、長期入院を乗り越えられているご家族もいらっしゃいました。


またアフラックさん(アフラックペアレンツハウス)でも同じようなハウスを運営されているそうで、そちらと併用して利用されている方もいらっしゃいました。



子供の病気という、ただでさえ、ストレスフルな状況に加え、“遠方から、慣れない土地で過ごす”というのもまた大変なこと…。

病院近くに、家族で泊まれる施設があること…とても、とても有難いことだと思いました。


私の娘にかんしては、結局、入院期間が450日間にも及んでしまい、その後、転居をすることにもなって、利用させていただいたのはこの3週間だけでした。けれど、この期間、精神面でも色々助けられたような気がして、今も感謝の気持ちでいっぱいです。




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Author:マカロニ
原因不明の脳性麻痺の娘・あおいについて綴るブログです。喉頭気管分離オペ・胃ろうオペを受けています。

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