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2018-05-06(Sun)

先天性脳性まひと産科医療保障制度

※5/9追記(訂正)あり

先月遺伝科に行った際にふと疑問に思ったこともあって、なかなか気軽に話題にしにくい内容なのですが、娘の産科医療補償制度の申請について少し書きたいと思います。




【産科医療補償制度とは?】

改めて記載するまでも…かもしれませんが、産科医療補償制度は、分娩に関連して重度脳性まひになった赤ちゃんの家族に国から補償金が下りるという制度です。


産科医療保障制度0506 - コピー


申請の条件が、

●在胎週数33週以上かつ出生体重2,000g以上、または在胎週数28週以上で低酸素状況を示す所定の要件を満たして出生したこと(※2015年以降出生のお子さんは在胎週数32週以上かつ出生体重1,400g以上、または在胎週数28週以上)

●先天性や新生児期の要因でない脳性まひであること

●身障者手帳1級・2級の脳性まひであること


…とかなり厳しく、制度が必要な障害のある子の家族に行き渡っていないという意見も多いようです。




機構のホームページをみると、これまでに補償対象になった人は、制度が始まった2009年~2017年7月末地点で2,094人、(申請したけど)補償対象外になった人は619人となっていました。



なんとなく私は勝手に、”患者家族が産科医を訴えて揉めると、只でさえ数が少ない産科医の数が減って困るから、国が作った制度”…というややネガティブなイメージを持っておりました。





【申請まで…私の娘の場合】

結果的になのですが、私の娘は2歳7ヶ月のときに申請の認定がおりています。



娘の場合、産院・搬送先のNICUでは、当初、脳性まひの”の”の字も出ず、この話は一切出ませんでした。



その後に転院した専門病院(今の掛かりつけ病院)にて、初めて「脳幹型脳性まひ」なのではとの診断がつき、部長の先生が、「ゆくゆく産科医療補償制度に申請してみてもいいかもしれない。」と言葉を掛けて下さいました。




さらにそののち、長期入院から退院する1歳8ヶ月のとき…当時の主治医に申請について伺ってみたところ、こちらの先生は、「申請しても通らないのではないかと思う。」「MRIにこれという画像異常がないので、この状態で認定されるかわからないと思う。」という、少し異なる意見を下さいました。







【制度のコールセンターに直接問い合わせ】

病院にいた頃、娘関連の書類をみると、目に入ったのは「先天性脳性まひ」という言葉。

「そういや産科医療補償制度の条件に先天性はダメとかあったっけ?」

「前の主治医の先生も通らないかもって言ってたなあ。」

…などと認定が厳しいのかもと思いつつ、在宅生活が軌道に乗りはじめた2歳のとき、機構のコールセンターに問い合わせてみることに。






まずオペレーターさん??の女性の方が出られて、「申請について医師でも意見が分かれそうなので、申請できるかどうか相談したい。」というと、生年月日、在胎週数、出生体重、産科医療補償制度の受付番号のようなものを聞かれました。

(番号が分からないというと、産んだ産院の名前をきかれ、伝えると登録を確認してくれ、次の担当者に繋いでくれました。)






次に出てきた担当の方に、画像異常がないことや先天性脳性まひらしいことを伝え、「これでも申請してもいいのか」と伺うと、「先天性脳性まひでも、通らないこともない。申請が通るともいえませんが、申請の条件は満たしています。産院に連絡を取って手続きを進めて大丈夫です。」とお答えいただきました。




機構から「申請してもいい。」言われたことに安心した私は、産院・そしておそらく提出書類関連でお世話になるだろう掛かりつけ病院に対し、「機構が申請してもいいと言ったので申請したいのですが、ご協力いただけますか?」と話をすすめることができました。






【先天性脳性まひって??】

”先天性脳性まひ”という言葉からは、私は「生まれる前から脳性まひってこと?」「出産のときのことが関係ない脳性まひなの?」と混乱した印象を受けてしまいました。


少し古い本で、 この1冊に書かれている情報が絶対的に正しいか不明ですが、私が読んだ脳性まひに関する本には、先天性脳性まひ(そしてそれに対するものとして後天性脳性まひ)について、こんな感じで記載がありました。



先天性脳性まひ0506 - コピー

※参考の本「脳性まひ児の早期治療 第2版」監訳:今川忠男 2003年発行




新生児仮死全般も”先天性脳性まひ”という呼称なのか…と少し意外に思ってしまったのですが、個人的には先天性(生まれつき)という言葉の捉え方が、小児の病気や障害においては難しいようにも思います。



娘を産んだばかりの頃の私は、「脳に障害さえ負わなければ普通の子供だったのに。」という想いが強く、悲嘆にくれていました。



その後に目にした脳性まひの書籍のいくつかに、”脳性まひは多様な要因によって引き起こされるものであること”、”脳性まひが周産期の異常な出来事に由来するものとは限らないということ”、”早産も胎児期の出来事(妊娠の早い段階)から引き起こされるのではないかと考えられていること”……などなど色々書かれていて、サッパリわからん!と思い……なかなか自分を責める気持ちは消えないけれど、でも「考えても分からないことで悲嘆にくれるのはやめよう。」という気持ちも湧いてくるものでした。








【先天性疾患があっても通るケースもある】

そしてコレは、私が先日遺伝科に掛かった際に疑問に思ってしまったことなのですが…脳性まひとは別に”先天性の疾患”があった場合、産科医療補償制度には通らないのか??ということ。



(「もし先天性の疾患を探す検査で、あとから何か引っかかってきた場合、認定が下りたことは間違いではなかったのか??」と思ってしまったので…)




制度を利用できた身ながら全く理解していなかったのですが…産科医療補償制度のホームページをみると、補償対象について、


広範な脳奇形があり、かつ、重度の運動障害の主な原因であることが明らかである場合は、補償の対象としません。しかし、脳奇形があっても、それが重度の運動障害の主な原因であることが明らかとは言えない場合は、「除外基準」に該当しないことになります。また、お子様の先天性の要因であることが明らかとは言えない場合も、「除外基準」に該当しないことになります。

…などと書いてあり、21トリソミーのお子さんや遺伝子異常のあったお子さんでも通ったケース(そして通らなかったケース)の事例が載せられています。




どうやら審査が通るかの重要なポイントは、重度の運動障害が脳性まひから来てるのか、それとも先天性の疾患から来てるのかのようで、例えばもし、うちの娘に後々なにか別の疾患名がついたとしても、運動機能の障害が脳性まひから来ているという診断なので、申請が下りたのかなあ、と今回改めて思いました。





(疑われた他の病気の可能性を除外できたこと、…筋電図検査、脳波検査、ABR検査などで、運動障害が筋肉ではなく、脳からの信号の異常からきている…などなど、審査の条件に当てはまる内容だったのかなあ、と。)


(またうちの娘は、脳損傷が画像に見当たらないものの、脳梁という部分が月齢より小さい(萎縮?)といわれていたり、先日は頭囲が小さいという指摘がありました。”脳奇形”という言葉を使われた先生もいたので、”脳になにかある”と認められたんですかね…)





また先日遺伝科の先生にこの話をご相談したときには、「分娩のことも全く(娘の)脳性まひと無関係ではないと判断されたのでは。」というようなご意見もおききしました。うーん、ホントによくわからない世界…。







【制度の利用について感じること】


産科医療補償制度の年度別の審査件数をみると、年々減少傾向にあるようです。

産科医療保障制度の件数0506 - コピー



なんで申請が減っているのか?については、産科の事故的な案件が防がれるようになったからなのか、申請の条件が全くニーズに合ってないからなのか…←5/9追記・スミマセン、よく考えたら平成24年度以降に出生されたお子さんの分はまだエントリーを受け付けている状態だから総数が少ないのであって、年々減少傾向にある、とは言い切れないですよね…。いい加減な見方をしてごめんなさい。


認定が下りた側の人間が軽々しく口にするのもなんだけど…条件を満たしていない人でももっと気軽に申請したり、問い合わせたりして申請の幅がもっと広がらないのかな、と思いました。




我が子の不確かな脳性まひの原因、先天性疾患の可能性は脳性まひ児に大いにあり得ることだという遺伝科でのお話などに改めて思いを馳せると、制度に認定されたケースと認定されてないケースに原因という部分ではどんな差異があるのか。脳性まひの予防を第1に掲げるならより多くのケースを取り上げなくていいのか…など色々考えてしまいます。





私の場合…申請にあたっては、検査入院したり、子供の動画や写真を用意したり、嫌な思い出のある産院に書類を取りに行ったり…ただでさえ忙しない生活の中において、面倒だと感じたこともありました。


(しかも産院の先生には会ってもらえず、結局ひと言も言葉を交わさないままでいます…。)




救いだったのは、掛かりつけ病院にて「申請しても通らないと思う。」と仰っていた主治医の先生が代わり、次の新しい先生が「お母さんが申請したいなら反対しません。できることに協力します。」と言ってくださり、前向きな気持ちで申請にのぞめたことです。



主治医の先生が協力的かどうか、病院側とのコミュニケーションも母親の精神的なストレスに関わってくるようにも思います。





申請が棄却された場合、どうやらもらえるのは認定されなかったという紙切れ1枚の通知のみ。


もし大変な思いをしながら申請して、結果が通らなかった場合でも申請してよかったと言えたのかな、と思うと、労力に見合わないという理由で医師側も気軽に薦めにくく申請件数自体が減っていたりするのかな、と勝手な憶測ですが感じてしまいました。




認定が下りたものの原因分析についてはまだ回答がなく、また結局原因が分からないことも多いときいていますが、どんな結果でも冷静に受け止められればと思っています。



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Author:マカロニ
原因不明の脳性麻痺の娘・あおいについて綴るブログです。喉頭気管分離オペ・胃ろうオペを受けています。

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