2017-03-25(Sat)

もしかして私、“うつ病”ですか? 「メランコリア」をぶっ飛ばせ!

娘と在宅生活をはじめて3か月程経ったころ、ふと、夕方になると、どっと身体が疲れ、気持ちが一気に沈み込む…というシーズンがありました。「後ろを振り返らず、前を向いて頑張る」と決めたのに情けない限り…。


「私、毎日こんな子供の世話だけにいっぱいいっぱいで、人生これでいいのかな?」
「なんだか娘を毎日リハビリさせないと、という強迫観念に追いやられているような気がする。」
「まわりをみると、健常なお子さん3人産んで、フルタイムで働いているような人もいる。私は何一つできない無価値な人間なのではないか。」



そんな思いが次々と浮かんでいき、身体がものすごく重くて、コップ1杯の水を汲もうにも、立ち上がれない。
そのときハッと思いました。

「あれ? これって、もしかして、うつ状態、とか、うつ病なんじゃないの、私?!」

うつ病って一体何なのでしょう?…。「うつ」と自覚すれば「うつ病」なのか。それとも認識していなくても「うつ状態」の人間は数多く存在しているのか。

そういえば…。
以前、私が会社を辞めてしまって、次の仕事を探すまでの間、「メランコリア」という1本の映画をDVDで観たのです。


作品の監督はラース・フォン・トリアーというヨーロッパの人で、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」などを撮った、カンヌ映画祭で賞もとっている人なのですが、どちらかというと、ちょっと重めの、尖った作品の多い監督。正直、以前はあんまり好きじゃありませんでした。


この「メランコリア」という作品は、2人の対照的な姉妹が主人公になっていて、その物語は2部構成でキッパリ分けられています。そして、明らかに、“うつ病”をテーマとした作品なのです…!


メランコリア

「メランコリア」販売元:ジェネオン・ユニバーサル
(C)2011 Zentropa Entertainments27 ApS


ここで簡単に「メランコリア」のストーリー紹介。

******************

第1部 ジャスティン(妹の方で、うつ病を抱え込んでいる)

第1部では、主人公・ジャスティンの結婚式の様子が描かれます。ジャスティンは若く、イケメンの新郎が隣にいて、式にはたくさんの友人や同僚が来てくれているというのに、そんな祝いの席の中でも、情緒不安定なことこの上ない。(なんでうつ病なのに、結婚式なんかしちゃってるのよ、とツッコミながらみてました。)

ジャスティンの姉のクレアは、大金持ちの夫を伴侶にもつ1児の母(いわば人生の勝ち組)で、ジャスティンと対照的な冷静な性格。姉は妹を必死にサポートしようとするのですが、結局、うつを抱えたジャスティンは、自らの結婚式で、とんでもない奇行に走りまくり、最後には結婚自体を完全にオジャンにしてしまう…というのが第1部。

この姉妹、なんでこんなに性格が違うんだろう。なんで妹の方はうつ病になったんだろう。
そういった理由は確か具体的には何も語られていないのですが、式に登場するジャスティンの両親や同僚が一癖も二癖もある人たちで、彼女の奇行は全く理解できないものの、ジャスティンが「なにかに苦しんでいる」というのは、切に伝わってくるのです。全編とおして何とも憂鬱なパート。途中でDVD止めて放り出そうかとも思う有様でした。



第2部:クレア(姉の方で、1児の母の常識人)

第1部の数日後くらいの時間経過だと思われるのですが、ここで、イキナリ話がぶっ飛んできて、なんと、「もうすぐ地球に巨大惑星がぶつかる」という事態に陥っているのです…!作品の舞台も、主人公がこの姉妹なのも第1部と全く同じ…。しかし、ここでなんとも奇妙な大逆転が発生するのです。

第1部であれだけ死んだ魚のような目をしていた、うつ病のジャスティンが急に生き生きとしだし、逆に冷静だったはずのクレアがどんどん狂気に追いやられていく。

ジャスティンからすれば、「失うものもないし、こんな生き辛い世界とオサラバできるわ。」ということなのでしょうか。一方、今まで“人生の成功者”だったクレアには、「今から地球が滅亡します」なんて事実、到底受け入れられず、茫然としてしまいます。この姉妹の精神状態の入れ替わりようが、私には、とても、とても興味深かったのです。

*********************************


ほとんど外出もできず、日中、娘の世話に明け暮れる中、この映画のことをなぜかふと思い出し、私は思いました。

自分は今、ジャスティンの側だろうか。それともクレアの側だろうか…と。

もしこの映画の第2部と同じ状況に自分が置かれたら…。


「もうすぐ巨大惑星がぶつかって地球が滅ぶ?!冗談じゃないわ、私の子供はゆっくりでもこれからもっと成長して、楽しいことたくさん経験するのよ!」

こう思える私は、クレアの側に近いんでしょうか。だとしたら「正常な世界での常識人」…。あらあら、まだまだ大丈夫なんじゃないか、と思ってしまいますね。

でも会社を辞めたあと、この映画をはじめて観たとき、その破滅的でなぜか美しいラストに心が洗われるような気持ちになったのを覚えています。ひょっとして、あのときの方が、病んでたんじゃないか、私。


完璧な精神状態の人なんて、なかなかどこにもいないと思います。この映画の姉妹のように、人間、状況次第で正常にも異常にもなり得るし、「うつ」であるかの境界線は、実はとんでもなく曖昧なのかもしれません。


「メランコリア」を撮ったトリアー監督は、自分自身がうつ病だったときにセラピストと交わした遣り取りから、この作品の着想を得たといいます。

「憂鬱に支配された人々は最悪の状況を常に予想していて、実際に悲惨な事が起こった際には普通の人々よりも冷静に対応できる。」・・・と。


子供が障害を抱えていること…。それは、想像以上にストレスフルで、ときにメンタルが弱ってしまって、ひとり暗い気持ちを抱えてしまう母親はきっと私だけではないはず…。


けれど、そうした経験をしているからこそ、今まで気付けなかったことに気付けたり、他の多くの人が気付けないことに気付いたり…。そんな場面もあるのではないか、と思うときがあります。そして、ほんの些細な事にも人生の深い喜びを見出すことができるのではないかと…。


とはいえ…。この映画のことを思い出して、ひとつ思ったこと。
時々猛烈に心がしんどいときには、「私、しんどい」と言ってみていいような気がします。
この映画のジャスティンにまでなってしまったら、いよいよヤバいかも…!



**********
ここ1年近くの間で、私は、たまに、うつ病や親子関係に関する書籍を読んだり、メンタルクリニックに行ったりしてみたり、なんか色々してました…。その中で得られたこと、障害のある子供を育てる中での私の精神状態の葛藤、また子供を産む前から私自身が人として抱えていた問題…など、この「メンタルヘルス」のカテゴリで、時々語れれば、と思っています。なんかいよいよゴチャゴチャしたブログになってきたなあ。




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原因不明の脳性麻痺の娘・あおいについて綴るブログです。喉頭気管分離オペ・胃ろうオペを受けています。

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