2017-03-29(Wed)

小児科っていつまでかかれるの?

表題、娘と長い病院生活を送っているときに、ふと疑問に思ったことです。

娘がいくつかの病院に入院させていただいている間、まわりを見渡してみると、あきらかに成人された患者さんも、小児科に結構おられることに気付きました。そういった患者さんは、経管栄養だったり、肢体不自由だったり、娘のあおい同様、重度の障害をお持ちの方が多い、という印象・・・。

お恥ずかしながら私は本当に無知なもので、このとき、「あれ?どうして小児科なのに大人の人もいるんだろう?」と思ったのです。


考えを巡らすと、思い浮かんだのは2つの推測。


①珍しい病気であったり、必要なケアが大きいため、患者及び患者家族が望んでも、紹介先にあたるような病院がみつからないし、受け入れてくれる病院がないので小児科にいる


②昔からみてもらっている医師や看護師さんのいる信頼できる病棟から、とてもどこかに移動することは考えられないので、ご本人たちの希望で小児科にかかっている



このどちらか、もしくは2つ両方の可能性が高いのではないか…と私は勝手に考え始めました。

ネットで検索すると、一般的に小児科は「15歳まで」と、情報が出てきました。あおいがこの先無事に成長してくれたとして、あおいは一体いつまで小児科にいられるんだろう? というか、いてもいいのかな?



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ここで少し話が変わってしまうのですが、あおいが産まれた直後に搬送されたS市の総合病院から、のちに都内の専門病院に転院し、都内にて分離オペを受けるまでになったときの経緯をお話したいと思います。

分離オペについては、あおいが生後4か月の頃から話がでていたのですが、このときの私は、無知と、親ながらの身勝手さでこう思っていました。


「もしオペをするなら、財前五郎や大門未知子とはいわないから、どうせなら実績のある外科の先生に手術してもらえないだろうか。こんな小さい子供なのだからこそ腕のある人にみてもらいたい。年間の手術件数が多い病院で、あおいと同じか、あおいよりも体重が少ない子供にも手術をしたことがある病院だと安心できるのだけれど・・・」



けれど、その後お医者さんと色々お話をしたり、医療ケアに詳しいママさんから情報収集させてもらったりしている中で、世間知らずのノーテンキな私が知らなかった重要なことが判明してきました。


「基本オペをしたら、オペをした病院がその後の診療も行う。」

というのが医療の世界での基本ルール。

さらに、

「昔は、オペをした病院から遠く離れた地域に引っ越したり、もしくはオペだけを遠方の外科で受けてそのあと元いた地域に戻られたり・・・などのケースも多くあった。しかしきちんと紹介を経ず何の診療情報もないまま、新しい病院に患者さんが来られて診るお医者さんが困ったり、手術あとのことでトラブルがあると、病院どうしで揉めてしまうこともあった。」


というようなお話もきいてしまいます。



なるほど・・・。

確かに胃ろうや分離オペなどは必要とする人が限られていますし、診れるお医者さんの責任も大きく伴うのかもしれません。



きょうび、雑誌などでよく「名医ランキング」などが特集されていたりしますよね。多くの高齢のがん患者の方々などが自由に病院や治療法を選択されているような印象があり、私もつい「娘のために、のぞむ治療のためならどこへでも」と思ったものですが、そう簡単なお話ではない様子…。


確かに、あおいのように生まれながらにして重度の障害がある子どもと、高齢とともに医療ケアが必要になった方々とでは、どうしたって色々事情が異なってくる…ということは医療の知識が全くない私にもなんとなく想像ができました。


高齢者の方々が新しい医療機関に行っても、病院側がケアを与える期間はある程度目安がつく。それに、そういった方たちの中でも、長期にわたり、呼吸管理や全介助入浴といった重めのケアが必要な人は少数ではないでしょうか。


けれど、生まれつき重度の障害をもった子供たちは、5年、10年どころか、(無事に成長してくれれば)この先数十年、病院側が多くのケアを提供しなければならない可能性があるのです。

重度障害児をひとり受け入れるということは、医療機関の経営的な観点からみても、また患者に対する治療の責任という点でも、慎重になってしまう…という側面があるのかもしれません。



あおいが専門病院に転院し、分離オペの話が具体的になってくるとともに、実は、私たち家族は、あおいの生まれたS市から都内に引っ越す、という選択をしました。


入院生活が長期間になること、オペ後になにか問題があったら直ぐにオペをした病院にみてもらえるようにしたいこと、福祉ケアの手厚さの違い、療育の事情・・・等々、色々と考えてのことでした。


パパの通勤時間が以前よりも長くなることになってしまいましたが、快く了承してくれました。また元々住んでいた地域からもそれほど凄く距離があるわけではないため、実現できたことです。


以前、訪問看護師さんが貸してくださった看護ケアの雑誌の中で、「障害のある子供の医療ケアのために転居を選択した家庭は十数%」という記事を読んだことがあります。


こういってはなんですが、医療には必ず地域格差が存在するのではないかと思っています。

そういった中、医療事情が極めて悪い土地からやむを得ず引っ越した方もおられるのかもしれません。

けれど、ご兄弟の就学の都合、親御さんの仕事の都合などで、転居を安易に選択できない方もたくさん、たくさんおられると思います。


「住む場所について色々検討できるのは、障害児が就学する前(7歳)までだと思う。」


…とお話されていたママさんがいましたが、確かに学童期に入る前までには、地域の医療との連携を確立しておきたいところだなあ、と思います。それに何と言ったって、重度の障害のある子供を抱えて何度も転居することは、容易なことではないのですから。


私たちが、今の地域に引っ越して、娘を診て下さる病院や在宅の先生がおられること…。一見当たり前のように思えるけれど、私は、そのことに、毎日感謝してもしきれないくらいなのです。



*********************



さて、長々と、最初の話と大変に軸がずれてしまったのですが、ここでもう一度、「小児科には一体いつまでかかれるのか」という私の疑問を、再度提起させていただきたいと思います。

あおいの胃ろうオペを検討しているときに、私は、お医者さんにこう伺ってみたことがあるのです。


「分離オペとか胃ろうオペの定期的な診察ですけど、これは娘が成人したあともこの病棟で受けられるんでしょうか。それとも別の大人のかたの病棟を紹介していただけたりするんでしょうか。」


すると先生は、


「うーん。本当はそうなると一番なんだけどね。結構みなさん長いこと小児の方でみてたりしていますね。」


と仰っいました。



やはり、重度障害児の医療ケアは“特別扱い”という言い方には語弊がありますが、医療をとりまく様々な事情によって、「もともと付き合いのある診療科に長期間診ていただく」というケースが数多く存在しているのかもしれません。

あおいに関しても、長きにわたって、信頼している、同じ小児科でみてもらえることができたら、それは本当に、本当に、有難いことだと思います。



けれど・・・。無知で愚鈍な私が最初に感じた、「小児科に大人がいる違和感」も、実は間違った感情ではないのではないか、とも思ってしまうのです。

やはり小児科は子供たちのための病棟であるべきなのでは、と、どこかで思ってしまう。

たとえば、将来、成人したあおいが小児病棟に入院していて、もし、そのために他に医療ケアを必要としている小さな子供のベッドが塞がってしまったら・・・。

そのとき私はどのように感じるでしょうか。
もっとも私自身がこの先どうなっているかわかりませんし、年老いたときには、そんなことを考える余裕すらなくなっているかもしれませんが…。



●娘が無事に大きくなってくれたときには、小児科をでて、別の場所で、これまでの小児科と同じくらい手厚いケアを受けれるようになっていてほしい。


●重度の障害を持つ子供や人は、基本、あらゆる診療科の診察を必要としている。内科、外科、消化器科、整形外科、眼科、耳鼻科…。重度の障害があるからこそ、のぞむ診療科に、自由な選択肢で、もっと気軽にかかれるようになっていてほしい。



これは医療の世界の内の事情も、医療をとりまく社会情勢のことも、つゆ知らない、私の勝手極まる理想論ですが、これが今の私の正直な本音なのです。


自分の子供、そしてそのあとに生まれてきた同じ重度障害の子供たちが、将来、今よりもより恵まれた環境にいてほしいと願うことは、我儘な願いではないと思いたい。


それに、私たちが今、享受している今の環境も、ネットすらなかった時代に、声をあげてきたお母さんたちが、戦って勝ち得てくれたものなのかもしれないのだから。


今は一日いちにちを乗り切るだけに精いっぱいですが、どこかで私も、未来に目をむけることができたら、と思っています。




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原因不明の脳性麻痺の娘・あおいについて綴るブログです。喉頭気管分離オペ・胃ろうオペを受けています。

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