2017-04-19(Wed)

“マックハウス”にお世話になったときのこと

娘のあおいが、専門病院に長期入院していた頃、「ドナルド・マクドナルド・ハウス」(マックハウス)という、チャリティーで運営されている宿泊施設に、3週間滞在させていただいたことがありました。


専門病院に転院して間もない頃(娘が6か月の頃)、私は母乳を搾ることに躍起になっていました。そのため、搾乳に一日の多くの時間をとられてしまっていた上、自宅から病院まで1時間半以上かかってしまうため、なにかと慌ただしく過ごしていたのです。

(母乳を搾ることに必要以上にこだわってしまっていたことには、今となっては後悔の気持ちもあります。)


そんな中、同じ病室にいらっしゃったママさんが、「近くにマックハウスというところがあるよ。」と教えてくれました。


マックハウスとは…
ファーストフードで有名なマクドナルド社の協力で運営している滞在施設です。お家から病院が遠く離れていた場合、病気のお子さんとその家族が病院の近くに滞在できるように…と、つくられた宿泊施設だそうで、私はこのとき初めてその存在を知りました。



ドナルドマクドナルドハウス公式ページ 寄付も受け付けられています。




あおいが入院させてもらっていた専門病院のある地域は、いくつかの医療施設が群立している場所だったこともあり、幸運にも、この「マックハウス」が近くにあったのです。

私は、「病院まで行く時間がかかるとはいえ、通える距離だしなあ。私でも滞在オファーしていいのかなあ。」と思いつつ、お電話をかけてみました。


電話口の方が丁寧に応対してくださり、娘の入院している病院名や、入院期間などについて尋ねられました。
「〇日からなら、3週間滞在できますよ。」「搾乳した母乳を保存できる冷蔵庫もあります。」と仰ってくれました。

夏休みや春休みの時期は、全国から、必要な治療を受けるために、家族でハウスに滞在に来られる方が多く、大変混み合うとのことでしたが、私が希望を出したシーズンは、運良く空枠があったようです。

滞在にあたっては、「この子はこの病院にこの期間、確かに入院していますよ。」と証明するための、お医者さんにサインしてもらわなければならない書類があっただけで、手続きは非常に簡単でした。



マックハウスに着くと、ボランティアさんがハウスの説明をしてくださいました。

☆外出時、帰宅時はかならず受付にあるノートに記帳すること。外出時間の制限などはない。
☆宿泊料は1泊1,000円。(正直、病院までの往復の交通費より安い金額でした。)
☆シーツ交換や、ごみの分別、部屋の清掃などは自分で行う。
☆共有のキッチンスペースを自由に使ってよい。コインランドリーもある。

…などなど。


ベッドルームは個室になっていて、ユニットバスもついていました。とても綺麗で明るい雰囲気です。

キッチンスペースには、フライパンや包丁、食器類も揃っていて、自由に使ってよい、とのこと。
加えて、近辺の地図が置いてあり、スーパーやベビー用品を売っているお店をお知らせしてくれているほか、そこに行くために、自転車まで貸し出してくれる…と本当に至れりつくせりでした。


このマックハウスのおかげで、滞在期間中、早朝から娘に会いに行けました。搾りたての母乳を注入することができて嬉しかったです。また娘は、家族のいない間はチューブ抜去防止のため固定具を腕に装着されていなければならないのですが、より長い時間面会することができたおかげで、訓練や遊ぶ時間も増えました。





夜、施設に戻ってくると、共有のキッチンスペースで、ほかのご家族と食事時間が一緒になり、お話する機会もありました。


遠くから来てらっしゃる方が多く、

「ここでしか診てもらえないといわれてやっとの思いで来た。」
「前にいた病院ではできない手術だったのでここへ来た。」
「以前診てもらっていた先生を追いかけてきた。」

…などみなさん様々な事情を抱えられていました。



「ほんの少し前まで元気に歩いていたのに、突然発症した。」…とお子さんのことをお話されていた方もいました。


私は、このとき、NICUから出て新たな病院に来たばかり…お恥ずかしながら病気や障害のあるお子さんたちのことをまだよく分かっていませんでした。


勝手に自分の中で、世の母親が、「無事に健常な子供を産めたお母さん」と「障害のある子供を産んでしまったお母さん」の2つに分かれていて、自分が後者の方であったことに、惨めで恨みがましい思いを抱いていました。


けれど、このマックハウスや専門病院で色々なお子さん、親御さんとお会いするうちに、“障害”“病気”にも本当に色々なものがあって、みなさん抱えている苦悩がそれぞれあること…それぞれのご家族の困難に思いを馳せずにいられませんでした。


そして、原因も治療もよくわからない病気や障害も存在しているのだ…ということを知るたび、“健常者”の自分が、普通に日常を過ごしていることの方に珍しさすら感じるようになりました。実は、“障害者”にはいつでも誰でもなり得るのではないか…そんなようなことを思い浮かべるようになったのは、このときからです。




私の滞在させてもらったハウスでは、最大4週間までの滞在が可能でした。滞在可能期間を過ぎても、お子さんの入院が続いていて、追加で宿泊したい場合は、確か、一旦ハウスを退出してから、また1週間(だったと思います)あけて、再度滞在の手続きをとる…というようになっていました。


ずっと連続で泊まり続けることはできないルールらしく、都内にある複数のマックハウスを行き来しながら、長期入院を乗り越えられているご家族もいらっしゃいました。


またアフラックさん(アフラックペアレンツハウス)でも同じようなハウスを運営されているそうで、そちらと併用して利用されている方もいらっしゃいました。



子供の病気という、ただでさえ、ストレスフルな状況に加え、“遠方から、慣れない土地で過ごす”というのもまた大変なこと…。

病院近くに、家族で泊まれる施設があること…とても、とても有難いことだと思いました。


私の娘にかんしては、結局、入院期間が450日間にも及んでしまい、その後、転居をすることにもなって、利用させていただいたのはこの3週間だけでした。けれど、この期間、精神面でも色々助けられたような気がして、今も感謝の気持ちでいっぱいです。




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原因不明の脳性麻痺の娘・あおいについて綴るブログです。喉頭気管分離オペ・胃ろうオペを受けています。

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